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天空大地の唄。

創造する、ファンタジー。 I sing for you 〜Black blade〜

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登場人物詳細

フリード=マクドガル
種族 人間
性別 男
年齢 31歳
職業 冒険者
瞳色 黒
髪色 黒
風貌 黒ずくめ、黒革鎧、マント、
右目に縦に走る傷。

好物 酒、煙草、冒険
苦手 退屈、罠、ラクダの涎


宛どころない旅の最中、果ての大陸に迷いこんだ冒険者。果ての大陸以前の記憶を失っているが本人はあまり気にはしていないようだ。

『道理が合えば悪魔とも手を結ぶ』と豪語し、己の信念と直感に任せて人生の舵を切る。

人に対しては放任的な性格だがこだわりが強く頑固な一面も。

冒険者ギルドの登記簿には数年前に左腕を欠損しているとあるが…


STR★★★★★★★★★☆
VIT★★★★★★★★☆☆
AGI★★★★★★☆☆☆☆
DEX★★★★★☆☆☆☆☆
INT★★★★★★☆☆☆☆
MAG★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
MIN★★★★★★★★☆☆
LUC★★☆☆☆☆☆☆☆☆


ヴァネッサ=ハウンズ
種族 人間
性別 女
年齢 18歳
職業 冒険者
瞳色 緑
髪色 金
風貌 三角海賊帽、フリルのシャツ、革のズボン

好物 肉、魚、盗賊いびり
苦手 野菜、水(カナヅチ)、ひ弱な男


幼少から仕込まれた剣術の腕を買われ、フィオーネの魔本捜索を依頼された若手冒険者。

男勝りな気性と実力に遜色無い自信家で人を見下す傾向がある。良くも悪くも目立つらしくトラブルに巻き込まれる素質は一級品。

海賊帽は父親に譲り受けた物らしいが
本人は海が大の苦手である。


STR★★★★★★★★☆☆
VIT★★★★★★☆☆☆☆
AGI★★★★★★★★☆☆
DEX★★★☆☆☆☆☆☆☆
INT★★★★★☆☆☆☆☆
MAG★★★★☆☆☆☆☆☆
MIN★★★★★★☆☆☆☆
LUC★★★★★☆☆☆☆☆




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第5話

「ウホホホォ~つぅかまえたぁ」
壁を突き破る程の衝撃で吹き飛ばされたのが嘘のようにブレナンが嬉々とした声をあげた。やたら並びのいい歯でニカッ、と。笑う。身につける草臥れた衣服だけが正直に傷みを覚えて解れ、埃を被っていた。

己の首に掛けられたブレナンの掌の無機質な冷たさにフリードの身体が無意識に強ばる。


こいつは何かがおかしい。


頭の中でフリードがそう結論付けるのと同時だ。その太い腕手が見せかけでは無いのを証明するようにブレナンが力を込めるとフリードの首をみるみる締め上げた。

「待て待て待て!ギブギブ!死ぬ!死んじゃう!!」

キュッと喉を絞られたまま吐き出す声が尻すぼみに枯れる。呼吸が阻害されるとみるみる頭に血が上って目の前がぼやけ始めて、80キロ近くあるフリードの身体はブレナンの片手一本で宙吊りになった。


だらしねえ。フリードの脳裏に自分への悪態が過って心の奥で決断した時だ。


路地裏>斬撃が現れる。『(剣閃は二人の視界の外から突然。放たれた矢のようにブレナンの腕目掛けて跳ねる!!)』

ドッーーー。

という感触と音。


フッ、と首を占める力が緩んでフリードの身体が地面に崩折れた。激しく咳き込みながら無意識に首へ伸ばした手が、未だ首に掛けられたままのブレナンの太い右手にぶつかった。


??と目を大きくしたブレナンと目が合って 漸くそこで新たな乱入者の存在を視界の端に捉えた。

「だらしないねえ、おじさん」

長身、金髪に海賊を彷彿とさせるトライコーンの帽子、振り向いた年若い女戦士は大振りの鉈を思わせる蛮刀を肩に掛けた。

「ひえええ」と右手を失った ブレナンが慌てて右往左往走り回るのも耳に入らない程に、その凛とした立ち姿にフリードの隻眼が目を奪われたのはほんの一瞬だったろうか。


「…奇遇だなお嬢さん。俺も今そう思っていた所だ。」

女戦士のエメラルドの瞳がフリードを見下ろす。僅かに目を細めて、口元は不遜に弧を描く。先程の一閃の鋭さに裏打ちされた自信に満ちた瞳は嘲笑の色をたたえる。



「お嬢さんじゃない。ヴァネッサ=ハウンズ、冒険者だ。」




第4話

くたびれたシャツの炭鉱夫風のデップりと肉付きのいい大男。歯並びは良い。

その巨体が腕を振り回す度に鳴る風の音。腕が眼前を通過するたびにフリードの頬を風圧が撫でる。

ブレナンと呼ばれていた大男が降り下ろした太い両腕が、朽ちた煉瓦壁を轟音と共に粉々に砕いた。

路地裏の入りくんだ空間に立ち込めた砂煙が 僅かに差す日の光に照らされては激しく躍り辺りの視界を遮る。


「ボッ」ーーーと砂煙を切り裂く様に黒ずくめの塊が飛び出す。

それは一気にブレナンの鼻先まで詰め寄ると

次の瞬間、腰で構えられていた右の拳を力任せに振り抜いた。ブレナンの口の中で歯と歯のぶつかる鈍い音がして、今度はバランスを崩したその巨体が朽ちた空き家の壁を打ち抜いた。

「オッホホ」

崩れかけた空き家から笑い声が短く聞響く。ブレナンはまるで答えてないと言った顔にフリードも苦笑いを浮かべた。

「・・・マジかよ。」

「お前いいぞぉ、もっと遊ぼう!」

これが遊びかよ。フリードは舌を巻く。

ドンッ、と地面を蹴る音と震動。ブレナンの巨体に似合わず素早い動きでフリードとの距離を詰めると半ばがむしゃらに振り回した拳は無数の矢雨のようにフリードに降り注ぐ。

「悪いが俺も今回は忙しくてね・・・」

右足を後に引いて半身に構えた姿勢で
男の隻眼がブレナンの拳の軌道を追う。

フリードが上半身を上下左右に逃して拳撃を掻い潜ると徐々に詰まる距離を前に不意に大きく上体を沈めた。

水鳥が水中に潜るように、上半身を大きく前に折り曲げるとブレナンにはフリードが一瞬消えたようにも錯覚したかもしれない。


「痛くても俺を恨むなよ・・・!」


ブレナンの無数の拳の波の真下を掻い潜って、フリードはブレナンの懐から顔を出した。

「フヒッ!?」

腰を落とした構えたフリードの右掌がトン、とブレナンの腹に添えられる。ただそれだけに見えた。

「ドンッ!」と激しい音が遅れてやってきてブレナンの腹が衝撃に波打った。間抜けな声と共に巨体が浮き袋の様に宙を舞うと、ブレナンは空き家の壁を砕いてその中へと吸い込まれるように吹き飛ばされた。


(おお、初めて成功した・・・)


突き出したままの右手をわきわきとしながら見つめていた。

しかし手応えあり、以上に奇妙な違和感を感じていた。触れたブレナンの体温だ。


冷たい。


その直後だ。


もうもうと立ち込める砂煙を引き裂いて伸びたブレナンの丸太の様な腕手が、フリードの首を鷲掴みにしたのは。


第3話

王都シルヴェリア郊外。中央の繁華街や住宅区画からは一線を引いた独特の雰囲気を放つ。石畳で舗装はされているものの住宅は無造作に折り重なり、朽ち捨てられ、日の光を疎らにした通りは時を経て所々が苔蒸して土の臭いを醸す。

中心部から離れる程国の治安維持の目は届き辛い。治安は言うまでもなく、

悪い。

とはいえ、、、


(「こいつ大人しくしろ」なんて本当に言うやつが居るとは、そっちの方がたまげるぜ・・・)

どうでも良いことに関心しながら声の響いた路地の曲がり角から顔を覗かせた。
フードを被って顔を隠した ザ・不審者。その内の大柄な一人はバタバタと動く麻袋を担ぎ上げていた。

(闇が濃いのは光が強い証か、、、皮肉なもんだな。)

「 おい、 そこで何をしている 」

顔を隠した連中の一人がこちらに気づいて声を上げた。低い男の声だった。それに連なって仲間も全員こちらを振り向いた。5人居る。

フリードはいつの間にか身体ごと曲がり角から乗り出していたのに気づいてやべ、と口元で小さく呟くと両手を前に出して制止の声をあげる。

「待て! 待て。ただの通りすがりだ。お前さんがたがこれから何をしようが興味は無いし、邪魔するつもりもない。俺は此処に居るだけだから、さっさと言ってくれ」

苦しい。だが本心でもある。潔いばかりに吐いた言葉に最初にこちらに気づいたフード姿の男は「フン」と息を吐いてフリードに背中を向けた。周りの連中もそれに続いて踵を返す。何とかなったか、とフリードが大きく息を吐

「ブレナン。そいつに遊んでもらえ。壊してしまってもいいぞ」

「!?」

振り向いた瞬間、ドンッ と大きな壁がフリードに激しくぶつかってきて、その身体が通りの石畳に投げ出された。転がりながら体制を立て直すと、壁に見えた巨漢の男が「ウヒッ」と特徴的な唸り声を上げた。

身長は2メートルを越える。横幅ならフリードの倍はある。伸びきったシャツと依れたズボンのみすぼらしい格好のブレナンは不釣り合いにキレイな歯並びで笑った。

「ウヒッ、遊んでいいのかアニキィ?」

嬉しそうにくぐもった声を上げるとシャツの上から豊満な腹が揺れた。胸ではない、腹だ。








第2話

フリード>完全にあの貴族の口車に乗せられたな。。。(男は悪態と共にその黒を基調とした立ち姿を日の光を疎らな路地裏へと溶かした)しかしどうしたもんだ。どうも畑違いの様な気がしてな。(引っ掛かるものがあるものの気乗りしないのは間違いない、呪いの類いが専門外なのは自分が一番よく知っている。)

路地裏>怒声が現れる 「こいつ!大人しくしろ!(人気の無い路地裏から男の荒々しい声が響いた)」
        
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